SD郡、西ナイル熱の防疫体制へ 定期的な殺虫剤空中噴霧を実施

5/11/2024
 
サンディエゴ郡環境保健衛生課は、蚊が地域全体へ西ナイルウイルスなどの病気を広める可能性を防ぐため、蚊の繁殖期の到来を見据えながら、蚊幼虫駆除を目的とする定期的な殺虫剤空中噴霧を実施する。

今年初となる徹底駆除は4月第4週に2日間行われた。


駆除の対象は郡内約1,400エーカーに及ぶアクセス難とされる蚊の繁殖地域で、最大52の地元水路が含まれている。

過去数年間、毎月1回ほどの頻度で投下されてきた。

使用される駆除薬は人間やペットに害を与えないが、蚊の幼虫を成長させない効果がある。


元来、西ナイルウイルスが引き起こす西ナイル熱は北アフリカの風土病で、1937年にウガンダで初めて確認された。

CA州で検出されたのは2003年8月。

以来、SD郡保健当局は防疫態勢を充実させ、住民に向けて「長袖・長ズボンの着用」「ボウフラの生息拠点の根絶」を呼びかけてきた。

毎年、SD郡では2人~20人台の範囲で西ナイル熱感染者が出ている。


西ナイルウイルスの主媒介はヤブカ属の蚊で、人にも動物にも感染し、約20%の患者に風邪に似た症状 (発熱、頭痛、吐き気、息切れ、皮膚発疹、リンパの腫れ など) が出るが、発症しても多くは数日~1週間で回復する。

致死率は1%未満 (150人に1人) と低いが、50歳以上の中高齢者や基礎疾患を持つ場合は重篤な症状を起こす危険性がある。


5月も半ばとなり、初夏へと季節が移行して蚊の繁殖期を迎えるにあたり、西ナイル熱やジカ熱の感染対策を万全にしておく必要がある。

(2024年6月1日号に掲載)

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