San Diego News サンディエゴ発ニュース
2024年1月10日
プロ野球楽天から米大リーグのパドレスに移籍した松井裕樹投手 (28) が1月9日、オンラインで入団記者会見に臨み「しっかり (打者を) 打ち取っていけるところを見せて信頼を勝ち取り、自分の立場を構築していきたい」と抱負を語った。また、同じナショナル・リーグ西地区のドジャースに加入した大谷翔平選手 (29) との対戦について「世界最高の左打者の1人。
チームの勝利のために抑えられるよう全力を尽くしたい」と意気込みを語った。
パドレスはドジャースと3月20日に韓国・ソウルで開幕戦を迎える (シリーズは翌21日までの2連戦)。
日本で通算236セーブを誇る28歳の松井投手は「大勢の人に注目されるし、勝って勢いを付けられ
ればいい。しっかり準備したい」と表情を引き締めた。
パドレスを選んだ決め手の一つに同僚となるダルビッシュ有投手 (37) を挙げ、「僕の中ではかなり大きな存在」と語った。
新天地でも救援での起用が見込まれ、楽天時代に務めた抑え (クローザー) も「勝ち取るつもり」と決意を口にした。
松井投手はロベルト・スアレス投手 (33) と守護神の座を争うことになりそうだ。
メジャーでは公式球の違いや投球間の時間制限 (ピッチクロック) への対応が課題となる。
新しい環境へ「アジャスト (適応) していければ」と力を込めた。
松井投手は昨季、59試合で2勝3敗39セーブを記録し、2年連続3度目となるパ・リーグのセーブ王タイトルに輝いた。
パドレスとは2028年までの5年契約で、米メディアによると、契約総額は2,800万ドル (約40億円) とされる。
(2024年2月1日号掲載)
2024年1月10日
米大リーグのパドレスは、大谷翔平選手と山本由伸投手の加入で注目が高まるドジャースと3月20日、21日に韓国・ソウルで開幕シリーズ2連戦を戦う。韓国でメジャー公式戦が開催されるのは初めてで、パドレスには複数の韓国選手も在籍している。
座席数が少ないこともあり、韓国大手通信社の聯合ニュースは「チケット戦争になる」と予告して
いる。
MLB公式サイトは「ドジャースのユニホームをまとった大谷を初めて (公式戦で) 見られる」と
開幕戦を強くPRしている。
同じナ・リーグ西地区のライバル球団で、ダルビッシュ有投手と金河成 (キム・ハソン) 内野手が所属するパドレスには今オフ、ブルペンに松井裕樹投手と高祐錫 (コ・ウソク) 投手の救援が加わった。
米経済誌フォーブス (電子版)は「韓国と日本のファンの高い関心を集めるだろう」と指摘し「訪れるべき2024年の5つのスポーツイベント」としてパリ五輪などと同列に並べた。
会場の高尺 (コチョク) スカイドームは首都ソウル市南西部の九老 (クロ) 区にある韓国初のドーム型球場 (ハーフドーム)。
九老区はデジタル企業が集まる「産業団地」として知られ、数多くのコンドミニアムが建つ人口約40万の活気あるベッドタウン。
2009年の着工から6年かけて2015年10月にオープン。
座席数は16,000席あまりで、米国や日本の球場に比べると大幅に少ない。
フォーブス誌はチケットの販売開始は1月下旬と発表。
「(購入手続きは) 急がなければならない」と記した。
*Picture:© SUDONG KIM / shutterstock.com
(2024年2月1日号掲載)
2024年1月3日
パドレスは12月23日、プロ野球楽天から海外フリーエージェント (FA) 権を行使した松井裕樹 (まつい・ゆうき) 投手 (28) と2028年までの5年契約を結んだと発表した。球団公式サイトなどによると総額2,800万ドル (約40億円) で3年目と4年目の終了時に契約を破棄
できる条項や、負傷した場合に5年目の契約が球団側の選択権に変更となる項目が含まれている。
AP通信は1月2日、パドレスと松井投手の契約について、出来高により最大3360万ドル (約48億円)
まで上昇すると報じた。
出来高は基本的に抑え投手として試合を締めた登板数が基準となり、15試合で15万ドル、25、35、45試合で各25万ドル、55試合で50万ドルに設定されている。
パドレスは松井の同意なくトレードできず、通訳や遠征時のスイートルーム、日本への往復航空券も契約に加えられたという。
昨年4月に史上最年少の27歳5か月で通算200セーブに到達した松井投手は、通算セーブ数を236まで伸ばした。
名球会入りの条件の250やプロ野球歴代1位の岩瀬仁紀氏 (中日) の407も狙える救援左腕は「まだ自分を成長させてくれる舞台がある」と、最高峰のステージへ進む。
2014年の楽天入団と入れ替わりでヤンキースに移籍した田中将大投手 (35) から刺激を受け続けた。
もう一人の道標 (みちしるべ) がパドレスで同僚となるダルビッシュ有投手だ (37)。
昨年のワールド・ベースボール・クラシック (WBC) の日本代表合宿で使用球への適応に苦しんでいた時、親身に助言をくれた。
*写真は、記者会見で大リーグ挑戦を表明する松井裕樹投手 (12月8日=仙台市の楽天球団施設)
*Picture:© TPG85 / shutterstock.com
(2024年1月16日号掲載)
2023年12月31日
12月26日午後12時半頃、サンディエゴ郡東部に位置する人口約3,000人の非法人コミュニティー、キャンポにあるカジノ駐車場に停車中の乗用車の中で2人の中年男女が死亡しているのが見つかった。発見から2日後の12月28日、サンディエゴ市警察 (SDPD) は2人がサンイシドロ出身の夫婦 (夫52、
妻45) であることを明らかにした。
夫婦は別居中で、2人と連絡が取れなかった家族が不審に思い、警察に捜索願いを出していた。
捜査当局によると、夫が妻を絞殺した後、自ら銃弾で命を絶った無理心中の可能性が高く、夫を
殺人の容疑者として捜査を進めている。
2人が行方不明になっていた理由は不明という。
死亡していた夫婦を発見したのはアメリカ税関・国境警備局 (CBP) の職員だった。
この夫婦には3人の子供がいる。
夫の妹は兄夫婦の捜索願いを申請した後、子供たちを経済的窮状から救う目的で GoFundMe (ゴーファンドミー/クラウドファンディング) を立ち上げ、支援資金を募った。
地元メディアによると、昨年末までに約1万ドル (約145万円) が集まったという。
この事件を捜査しているSDPD南地区管轄署と殺人課が関連情報を求めている。
*SDPD:☎︎ 619-531-2293、Crime Stoppers (クライムストッパーズ):☎︎ 888-580-8477。
*写真はイメージ
(2024年1月16日号掲載)
2023年12月29日
パドレスのダルビッシュ有投手が12月28日、同じナ・リーグ西地区のドジャースが大谷翔平選手と山本由伸投手を獲得したことについて「すごく悲しい。大谷君も山本君もパドレスが契約できるんだったら、日本人で集まってドジャースを倒したいという気持ちはあった」と語った。音声配信サービス「stand.fm」でファンの質問に答えた。
大谷選手がドジャースと交わした10年総額7億ドル (約1,015億円=為替レートは入団合意時) の
契約については「あの額でドジャースに行くとは想像していなかった」と驚きつつ「エンゼルスに
残って、プレーオフに出るんだと言うのかなと思っていた」と話した。
パドレスにはプロ野球楽天から松井裕樹投手が加入し「松井君が来てくれたから頑張ります」と、
打倒ドジャースを誓った。
今季終盤に痛めた右肘は順調に回復している様子で「ブルペンで快調に投げている。
開幕から大丈夫じゃないか」と、来年3月に韓国・ソウルで行われるドジャースとの開幕2連戦に間に合う見通しを示した。
また、MLB公式サイトによると12月28日、ドジャースが、パドレスからフリーエージェント (FA) となった通算165セーブのジョシュ・ヘイダー投手の獲得を目指していると伝えた。
29歳の救援左腕で、今季は61試合で2勝3敗33セーブ、防御率1.28をマークした。
今季のドジャースは右腕フィリップス投手が24セーブを挙げたが、抑えの経験は浅く、ブルワーズ時代に最優秀救援投手賞を3度受賞したヘイダー投手が加入すれば救援陣の厚みが増す。
大谷選手が結んだ総額7億ドルの契約のうち97%が後払いとなったことで、ドジャースは資金面に余力を残しているとされる。
*ヘイダー投手は1月22日にアストロズと5年総額9,500万ドルの契約を結んだ。
*Picture:© MLB / San Diego Padres
(2024年1月16日号掲載)
2023年12月25日
サンディエゴ市消防局 (SDFD) の発表によると、SD市内ポイントロマ地区のサンセット・クリフス自然公園 (*写真) 近くにある崖穴 (がいけつ) に男性が12月21日午後3時40分頃から閉じ込められ、身動きが取れずにいたが、翌22日に救出された。地元メディアが報じた。
消防当局によると、救出された男性は負傷しておらず、健康状態も良好と判断されたが、病院へ
緊急搬送された。
男性は意識が混濁している様子もなく、救急隊員と会話をしていたという。
SDFD関係者は「男性は腰から下が穴に固く挟まれてしまい、自力で脱出できる状態ではなかった」、「崖穴の直径は約18インチ (45センチ) と狭く、救出するのが極めて困難だった」と述べた。
SD市消防局とチュラビスタ市消防局による合同救助隊が現場に駆けつけ、救出作業を開始したが、満潮時が近づいており、一時中断せざるを得なかった。
閉じ込められた男性には一昼夜を通して、体内の水分を補給する電解質、温湿布 (ホットパック)、毛布が支給された。
救助再開にあたり、男性の体調急変に備えて救急車も待機させた。
翌日早朝の午前4時40分にはサンバーナーディーノ郡保安官事務所のボランティア救助隊が到着し、救助作業を支援した。
男性が救出された時点の出動ユニットには、管轄消防署長と医療監督者の各1名、消防地区指令長3名、救助隊員+ボランティア59名、消防車7台、救急車1台、大型トラック1台が集まり、物々しい光景となった。
(2024年1月16日号掲載)
2023年12月24日
アメリカ合衆国税関・国境警備局 (CBP) は、昨年12月18日にサンディエゴの米国/メキシコ国境で、ハラペーニョ (メキシコの青唐辛子) の香味ペーストを詰めた容器の中から大量のメタンフェタミン (中枢神経刺激薬) とコカイン (精神刺激薬) を摘発したと発表した。押収された密輸薬物は合計で1,043万ドル (約15億円) に及ぶ末端価格になるという。
CBPが12月23日に明らかにした。
この捕物劇 (とりものげき) はオータイメサ通関の貨物検査施設で起きた。
有効な国境通過カード (Border Crossing Card=BCC) を所持していたセミトレーラー (前部車輪が
ない大型トレーラー) の運転手 (28) がハラペーニョ・ペーストの積荷を搬入している際に、K-9 (麻薬探知犬) が異物を感知して反応を示した
ことから、捜査官が積載物の精査に踏み切った。
結果として、ペースト入りの容器から349個の怪しげなパッケージが見つかった。
香味ペーストと見せかけた袋の中には、メタンフェタミン3,161.43ポンド (約1.4トン) とコカイン522.5ポンド (約237キロ) が含まれていた。
捜査当局はトレーラーと違法薬物としての危険ドラッグを押収し、搬送していた運転手の身柄をアメリカ合州国・国土安全保障省 (Dept. of Homeland Security=DHS) に引き渡した。
オータイメサ通関のロサ・ヘルナンデス管理官は「当局のK-9チームは傑出した (違法薬物の) 探知能力を備えている。
その高い信頼性こそが麻薬取締における不可欠の戦力」と述べている。
*写真はイメージ
(2024年1月16日号掲載)
2023年12月14日
12月12日午後6時頃、キャンプ・ペンドルトン海兵隊基地内の戦闘用車両転覆事故で隊員1人が死亡したが、犠牲者の階級は軍曹だった。第1海兵遠征隊からのニュースリリースで公表された。
事故は水陸両用の戦闘車両が地上での移動訓練中に発生したという。
死亡した軍曹はミシガン州出身で、2019年1月に海兵隊に入隊。
水陸両用戦闘車両の乗組員として訓練を受け、第15海兵遠征隊の上陸チームに配属されており、
車両指揮官の任務に就いていた。
第15海兵遠征部隊指揮官のショーン・ダイナン大佐は、死亡した軍曹について「有能な海兵隊員であり、卓越したリーダーシップを発揮してくれた。
この衝撃的な喪失には、言葉では表現しきれない悲しみがある」とコメントした。
死亡した軍曹はこれまで、海軍および海兵隊功労章2個、海軍優秀部隊表彰、海兵隊栄誉行動章、国防従軍記章、対テロ戦争従軍記章、海上勤務最高栄誉章など、数多くの表彰と勲章を手にしている。
事故発生時の車両内には他に14名の海兵隊員が同乗していた。
全員がキャンプ・ペンドルトン海軍病院を含む現地の病院に搬送されたが、指揮官の軍曹だけが帰らぬ人となった。
他の隊員は命に別状なく、治療を受けて退院した。
この事故の詳細については、現在も調査中だ。
*写真はイメージ
(2024年1月1日号掲載)