San Diego News サンディエゴ発ニュース
2023年12月11日
例年、有力誌や定評あるオンライン企業などの調査レポートで「◯◯ランキング」が発表される。「全米で最も楽しい都市」「QOLの高い都市」「引退生活に適した都市」「世界屈指の料理店が集まる都市」「自然公園が整備されている都市」「子育て環境の優良都市」など、そのカテゴリーは様々。
クレジットカード、住宅ローン、保険、家計アドバイスなど、個人ファイナンス情報サービスに
特化したオンラインサイト『マネー』は、毎年「全米で最も住みやすい街」のランキングを公開
している。
今年の報告でもサンディエゴが高評価を受けた。
報告書では、同社の研究者たちが全米の都市圏を調査し、2023年のトップ50都市圏を選出。
その中で、アーバイン (13位) とサンディエゴ (22位) の南カリフォルニア2都市がリストに載った。
ランキングは、ビジネス機会の充実度、生活の質 (QOL)、豊かな多様性 (diversity)、将来への展望 (prospect) など、街を発展させる重要なファクターを分析した結果だという。
“America’s Finest City” のキャッチワードで知られるサンディエゴは、世界に誇れるビーチ、活気に満ちたダウンタウン、年間の穏やかな気候、優雅さのあるライフスタイルが特別な都市像を作り上げている――と報告書は述べている。
SD動物園&サファリパークやシーワールドなどのアミューズメントパーク、15の博物館/美術館が集まる約1,000エーカーの市民の憩いの場バルボアパーク、サーフィン、カヤック、釣りを満喫できるアウトドアスポーツのメッカ、UCSDを含む優れた教育システムなどもサンディエゴを上位に押し上げている。
▪︎数値で見るサンディエゴ (マネー誌調査):平均世帯年収:$96,246、平均住宅価格:$963,261、2寝室アパート平均賃貸料:$3,113、人口:1,381,275人、失業率:3.1%。
*「全米で最も住みやすい街」の詳細は https://money.com/best-places-to-live/
(2024年1月1日号掲載)
2023年12月8日
MLBは12月6日、ヤンキースがパドレスから強打のフアン・ソト外野手 (25) とトレント・グリシャム外野手 (27) をトレードで獲得したと発表。米メディアも、ウインター・ミーティングで成立した最大級のトレード (2対5) と一斉に報じた。
パドレスには今季9勝のジョニー・ブリトー (25)、今季防御率2.75のマイケル・キング (28)、2.87のランディ・バスケス (25)、今季マイナーリーグ最優秀投手ドリュー・ソープ (23) ら4人の右腕投手と日系米人のカイル・ヒガシオカ捕手 (33) の5選手が移る。
今季、パドレスとヤンキースは82勝80敗と辛うじて勝率5割は超えたものの (.506)、共にプレーオフ出場を逃している。
パ軍は今季14勝を挙げてサイ・ヤング賞を受賞した本格派左腕ブレイク・スネル投手 (31) がフリーエージェント (FA) でチームを去り、来季に向けてブルペンを含む投手陣の再建が急務となっていた。
ヤ軍から移籍した4投手はいずれも「即戦力」としての力量を備えている。
今後は左腕投手の補強が課題となる。
ヤ軍は右の中心打者アーロン・ジャッジ外野手 (31) と並ぶ左のスラッガーを求めていた。
ジャッジ外野手は2022年に62本塁打でア・リーグMVPに輝いたが、今季は靭帯挫傷などで一時戦列を離れた。
強打者ソト外野手と “HRを打てる1番打者” グリシャム外野手の加入で攻撃力がアップされそうだ。
今季、ソト選手は全162試合に出場し、打率.275、本塁打35 (自己最多)、打点109の好成績を残した。
また、パドレスの監督を2季務めたボブ・メルビン氏 (62) のジャイアンツ監督就任を受け、後任にマイク・シールド氏 (55) が抜擢された。
同氏は2018年途中から2021年までカージナルスを指揮し、3季連続 (2019~21) でプレーオフへ導いている。
MLB公式サイトはダイヤモンドバックスがタイガースからFAとなった今季13勝の左腕エデュアルド・ロドリゲス投手と4年8,000万ドル (約117億6,000万円) で契約に合意したことを伝えた。
また、オリオールズはフィリーズからFAになった通算417セーブの右腕クローザー、クレイグ・キンブレル投手 (35) と1年契約の年俸1,200万ドル (約17億,000万円) で、レッズはカブスからFAのジェイマー・カンデラリオ三塁手と3年総額4,500万ドル (約66億1,500万円) で合意したと報じられた。
*Picture:© Leonard Zhukovsky / shutterstock.com
(2024年1月1日号掲載)
2023年12月8日
米沿岸警備隊 (USCG) は2023年11月~12月にかけて太平洋沿岸で数回の大規模な麻薬取締を実施した。
USCGは12月6日、大型海洋保安船の旗艦「ウェッシュ」と「アクティブ」がメキシコ沿岸および中南米の海域で合計18,219ポンド (約8.3トン) のコカインを押収。サンディエゴ沿岸だけで数千ポンドを陸揚げした。
押収された麻薬の末端価値は2億3900万ドル (約417億円) 以上と見積もられている。
密輸コカインは6隻の異なる船から押収された。
船舶の中には5,500ポンド (約2.5トン) 以上のコカインを積載していた自走式半潜水艦
(semi-submersibl) も含まれていた。
USCGによると、麻薬密輸の捜査で自走式半潜水艦が摘発されたのは東太平洋では3年以上ぶりのこと。
タラ・マグラス連邦検事は「米沿岸域および市街地への大量コカイン流入を阻止した (USCGの) 功績を称賛したい。
その成果は間違いなく国民の命を救う」と述べた。
2023年はUSCGによる不法薬物の摘発が相次いだ。
7月には太平洋方面東部管轄区で17,100ポンド (約7.8トン) のコカインとマリファナがSDで押収されている。
その時の合計末端価格は推定約1億5,800万ドル相当 (約215億2,000万円)。
これまでSDで一度に摘発された最大の不法薬物量は、麻薬取締局 (DEA) が2022年7月に米墨国境を越えて陸路を北上するトラックから押収したメタンフェタミン (通称メス) 約5,000ポンド (約2.3トン) だった。
2023年5月~12月までのUSCGの巡回パトロールで密売船から押収した麻薬総量は35,000ポンド (約16トン) を超えた。
*Picture:© Leonard Zhukovsky / shutterstock.com
(2024年1月1日号掲載)
2023年12月4日
サンディエゴ郡東部で11月末~12月初頭に複数の有感地震が発生したこれは、今年後半に米墨国境付近で頻発している地震に続くもので、小規模な群発地震と捉えられている
米国地質調査所 (USGS) によると、直近の記録は12月3日午後10時57分にインペリアル郡オコティーヨ地区から東に約7マイルの地点で発生したマグニチュード3.1の地震で、震源の深さは4マイル (6.5キロ) 以上
この地震は、11月30日夜から12月1日早朝にかけてSD郡全域を震わせた一連の余震を誘発させたという
USGSの発表では、まず、30日午後11時43分にオコティーヨから東へ7.4マイルの地点でマグニチュード4.8の地震が発生し、その後すぐに3回の小規模な揺れが続いた
これらの余震はいずれも米墨国境付近で発生し、それぞれマグニチュード3.5、2.6、3.4を記録
群発地震を引き起こしたマグニチュード4.8の地震が本震とされ、震源の深さは5マイル (8キロ) 以上と推定されている
これらの地震による直接的な被害報告はない
カリフォルニア州にある最大規模の断層としては、北部沿岸~メキシコ・バハカリフォルニア半島内陸部を縦断する全長800マイル (約1,300キロ) のサンアンドレアス断層が知られている
太平洋プレートと北アメリカプレートが接する巨大なトランスフォーム断層だ
『ネイチャー』『サイエンス』などの科学ジャーナル/学術誌は2006年6月、サンアンドレアス断層の南部に歪みが蓄積され、約300年ぶりにマグニチュード7.0以上の巨大地震 (ビッグ・ワン) を引き起こす可能性があると警告している
発生すれば、サンバーナディノ郡、リバーサイド郡、インペリアル郡に重大な被害をもたらし、LA、SDの人口密集地も被災を免れないという
(2023年12月16日号掲載)
2023年11月25日
サンディエゴ~ティフアナの沿岸地域における海水汚染と大気汚染が予想外に進行している。カリフォルニア大サンディエゴ校 (UCSD) の科学者グループの調査報告によると、米墨国境地帯の
汚水流出が深刻化し、特にサウスベイ地区のインペリアルビーチでは汚染水による環境劣化の影響が
住民の健康を脅かしており、地元の海岸が閉鎖される日々が続いている。
一般論としては、降雨量の多い季節には、汚水が地上から道路などを伝って海洋に流されることから海水汚染が進む。
これまでカリフォルニア州は極度の乾燥状態が続いた年が多く、降雨流水が減少し、地上からの排水の海岸流入もなく、水質検査による海水汚染度の評価は優良ランクを維持していた。
だが、地球温暖化の影響もあって、ここ数年はサンディエゴも降雨量が上昇傾向となり、地表を流れる汚水 (runoff) が海洋に流れ込んでいる。
UCSDの調査で、海中に増加した細菌や化学物質がエアロゾル化されることが判明。
水泳をしなくても、空気を吸うだけで汚染に曝 (さら) されるリスクがあるという。
“America’s Finest City” の好評価を獲得して「楽園」のイメージが定着するサンディエゴ。
雨季 (当地は1~2月の降雨量が最も多い) が到来する前に、行政の効果的な環境対策が待たれる。
米墨両国の協力体制も不可欠で、その緊急性が高まっている。
*写真はイメージ
(2023年12月16日号掲載)
2023年11月16日
サンディエゴ市警察 (SDPD) は11月15日夜、小型飛行機がラホヤの住宅街近くに墜落し、数時間の捜索後に操縦士の死亡を確認した。当局の発表では、15日午後9時35分頃、地域住民から落雷のような爆発音が聞こえたとの通報が
入り、SDPDが翌日午前3時頃にドローンによる捜索を行ったところ、墜落したと思われる小型機の
残骸を発見した。
事故現場は住宅地から少し離れた La Jolla Village Dr. 南側の未開区域。
フライト記録によると、墜落したのは単発エンジン機のセスナP210で、15日午後5時30分頃にカリフォルニア州中部コンコードのブキャナン・フィールド空港から離陸し、リバーサイド郡ムリエタのフレンチ・バレー空港を経てサンディエゴへ向かっていた。
データ追跡から、パイロットはカーニーメサのモンゴメリー・フィールドに着陸を試みた後、ラホヤに向けて北西に進路を変えたことが分かった。
捜査当局は「飛行機が低空でこの地域を旋回している」「飛行機が墜落したようだ」との地域住民からの報告を受けたという。
11月15日のサンディエゴ海岸域の天候は曇りで、夕方には小雨が降っていた。
セスナ機は小丘陵に激突しており、操縦士が住宅街での惨事を躱 (かわ) そうとした意思も感じられたという。
連邦航空局 (FAA) によると、事故機の登録所有者はカールスバッドに在住。
操縦士は6席機に1人で搭乗しており、病院へ搬送される途中で死亡した。
11月16日の時点で操縦士の名前は公表されていない。
(2023年12月1日号掲載)
2023年11月11日
MLBパドレス球団は11月14日、オーナーのピーター・サイドラー氏が死去したと発表した。享年63。
死因は明らかにされていないが、同氏は悪性リンパ腫の一種、非ホジキンリンパ腫の治療を2度受けており、球団側は予後良好との見通しを公表していた。
突然の訃報に球団関係者の間に衝撃が走った。
サイドラー氏は2012年にグループの一員として球団経営に参画し、2020年に筆頭株主になった。
同氏は巨額の資金を投じて大型補強を断行。
ダルビッシュ有投手、マニー・マチャド三塁手、フアン・ソト外野手、ザンダー・ボガーツ遊撃手ら有力選手を獲得したほか、スター性あふれるフェルナンド・タティス Jr. 外野手と超大型契約を結ぶなどチーム強化に努めた。
今季 (2023年) のチーム総年俸は約2億5,600万ドル (約296億円) の高額に達し、パドレスはメジャー30球団中、メッツ、ヤンキースに次ぐ3位の “金満球団” へと変貌。
同氏が球団経営を始めた2012年の8,000万ドルから実に3倍強のペイロールに跳ね上がっている。
昨季のパドレスはナショナルリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ (NLCS) に進出したが、今季はプレーオフ出場を逃した。
ダルビッシュ投手はSNS上で「ピーター・シードラーの訃報に胸が痛みます。ピーターの素晴らしい人間性に触れて、いつも幸せでした。彼は人生の教師であり、交流を通して数え切れないほどの教訓を授けてくれた。ご冥福をお祈りします」と、サイドラー氏への追悼コメントを英語で発信した。
*Picture: © fifg / shutterstock.com
(2023年12月1日号掲載)
2023年11月1日
U.S. News & World Report が10月25日に発表した最新調査で、サンディエゴが米国で最も物価の高い都市にランクされた。概要は次の通り。
◆ランキングはインフレ率、ガソリン小売価格、年間住宅費、総家賃中間値、住宅所有関連費用
などの指標に基づく。
◆SDがランクインされた主要因は高額な住宅費。
◆SDの住宅価格は全米の中央値を上回り、多くの住民が高額な住宅費用を支払っている。
◆SDの一軒家の中間価格は今年8月に100万ドルを超え、コンドミニアムとタウンホームの中間価格は9月に665,000ドルまで上昇。
◆SD市民の平均収入は年間約70,000ドルだが、家の購入には約180,000ドルの年収が必要。
◆SDのアパート賃料は1ベッドルーム平均2,500ドル、2ベッドルーム3,500ドル。
◆SDの一軒家の中間賃料は今年10月時点で3,150ドル。
◆SDの生活費高騰の背景には新築物件を建設するスペースの不足がある。
◆高額な生活費にも関わらず、SD市民は「Sunshine Tax =日照税」と呼ばれる温暖な気候を楽しむための価格を支払う意思がある。
◆ロサンゼルスは2番目にランクされ、ホノルル、マイアミが続く。
◆上位10位中7位をカリフォルニア州の都市が占め、上位25位の約半数を含む。
◆全米で最も人口の多い都市ニューヨークは11位にランク。
トップ10の都市は次の通り。
① SD (CA)、② ロサンゼルス (CA)、③ ホノルル (HI)、④ マイアミ (FL)、⑤ サンタバーバラ (CA)、⑥ サンフランシスコ (CA)、⑦ サリナス (CA)、⑧ サンタローザ (CA)、⑨ サンファン (PR =プエルトリコ)、⑩ ヴァレーホ 及び フェアフィールド (CA)。
*トップ25都市のリスティングは https://realestate.usnews.com/places/rankings/most-expensive-places-to-live。
(2023年11月16日号掲載)